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経営力向上ブログ

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事業継続力強化計画(ジギョケイ)

事業継続力強化計画の意義と活用できる支援制度解説|中小企業向け無料支援もご紹介

事業継続力強化計画を策定する意義と、活用できる支援制度について 近年、自然災害や感染症、サイバー攻撃など、企業活動を警戒してリスクは多様化・高度化しています。中小企業にとっては、これらのリスクに備え、自社の経営資源や大切な従業員を守るための戦略的な準備は、いざという時の被害の軽減と早期復興、さらには競争力の維持・強化に大きく影響します。その取り組みの一つが「事業継続力強化計画」(以下、ジギョケイ)の作成とその計画の実効性の向上です。 事業継続力強化計画(ジギョケイ)とは?ジギョケイは、中小企業が自社の災害リスクや事業環境の脆弱性を明確にした上で、防災・減災対策を体系的に整理した計画です。 現在および将来的に行うべき災害対策訓練、教育などの具体的な取り組み内容が示されます。 ジギョケイを立てる意味 計画策定企業が受けられる支援ジギョケイを国から認定されると、防災・減災設備に対する税制措置、低金利融資等の金融支援、補助金申請時の加点、ジギョケイ認定ロゴマークの使用許可、中小企業庁のHPでの認定企業の公表などの特典を受けることが可能です。 ジギョケイ実効性向上支援事業の活用枠組みをしたジギョケイを、実効性の「お飾り」の計画にしてしまわないためには、平時からの実務的な点検・訓練・検討が肝心です。ここで頼れるのが、中小企業診断士による「実効性向上支援事業」です。 申し込みから支援までの流れ この支援事業は、一般社団法人日本中小企業診断士協会連合会が、各地中小企業診断協会と連携して実施しています。 経験豊富なプロのアドバイスを受けることで、計画の改善のみならず、社内の防災・減災意識を高め、強靭な経営基盤づくりを実現するチャンスとなります。 解決ジギョケイは、中小企業がリスクに備え、被害を最小限に抑え、早期復旧を可能にするための心強い「防波堤」です。有事の際に「使える」ものに深化させ、漸進的に支援を受けることができます。 今後の経営をより強靭で持続可能なものにするために、ジギョケイの活用とブラッシュアップをぜひご検討ください。 弊社でもジギョケイに関する無料相談を受けています。利用されたい方はぜひお気軽にご相談ください。

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「組織スラック」とは何か? 不確実な環境で柔軟性と革新を生み出す「賢い余裕」の活用法

はじめに:なぜ「ムダ」が必要なのか? 多くの経営者やマネージャーは、組織運営の効率化を最優先事項としています。ITシステムの導入やプロセス改善により、生産性向上やコスト削減を目指すことは一般的です。ただし、外部環境が目まぐるしく変化する現代、効率性の追求一辺倒で良いというわけではありません ここで注目したい概念が「組織スラック(組織スラック)」です。一見「ムダ」とされる余剰資源こそが、急な需要変動や不確実な経営環境下で組織を柔軟に変革へと導くのに有効です。この記事では、組織スラックの定義やその猶予、具体例、そしてイノベーションとの関係性について詳しく解説します。 組織スラックとは何か? 組織スラックとは、組織内における「ヒト・モノ・カネ」といった経営資源が、本来必要とされる量よりも余裕をもって存在している状態におけるその余剰資産を意味します。平たく言えば、「余分な在庫」や「余分な(遊んでいる)人のリソース」といった余裕のある部分が組織スラックです。 「ムダ」を減らし、リソースを効率的に、100%フル稼働させることが理想的であると考えられますが、実際は組織スラックをゼロにするのは難しく、また組織スラックは変革の原動力にもなるものなので、適切に組織内に保有することが望まれます。 組織スラックがもたらす3つのメリット 1. 外部環境の不確実性に対するクッション材 企業活動を行うビジネス環境は、需要予測や市場動向の急変、サプライチェーンの混乱など、常に不確実性をはらんでいます。このような外部環境の不確実性に対して有効な手段が「組織スラック」の確保です。 組織スラックを持つということは、ヒト・モノ・カネなどの経営資源の必要十分な量を確保し、そのうえで一定の「余裕」をもたせた状態です。この余裕があることで、イレギュラーな事象やトラブルが発生しても、その衝撃を吸収し、影響を抑えることができます。つまり、ビジネスを安定的に継続するためのクッションとして機能します。 具体例: 在庫の確保例えば、製品在庫を一定量以上保有していることは、モノにおける組織スラックの代表格です。あまりにも在庫がギリギリの状態だと、急な需要増加に対応できないというリスクがあります。 市場が特定の事業せ急激に需要が増加したり(例;コロナ禍でのマスク需要)、競合がキャンペーンを打つなど消費者ニーズが刺激された場

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伴走支援。歩きながら

中小企業コンサルティング×カウンセリング:課題設定型アプローチで経営者を支援する伴走支援モデル

はじめに:中小企業コンサルティングとカウンセリング理論の融合 中小企業コンサルティングの世界では、これまで「専門知識を有する支援者が解決策を提示する課題解決型アプローチ」が主流でした。しかし近年、課題そのものを経営者と共に見出し、経営者が自ら問題解決に向き合えるよう促す「課題設定型アプローチ」へと視点を転換する必要性が叫ばれています。どちらの手法が常に優れているわけではありません。状況や課題の性質に応じて、柔軟に使い分けていくことこそが効果的な支援へとつながります。 ここで注目したいのが、カール・ロジャーズによる「クライエント中心療法」に代表されるカウンセリング理論です。この理論は、相談者(経営者)が内在する成長力や問題解決能力を引き出す「受容」「共感的理解」「自己一致」といった要素により、問題解決型に偏らない、課題設定型アプローチを強力に後押しします。経営者への寄り添いとともに、経営者が自ら気づき、学び、行動できるよう促す手法は、正に「課題設定型アプローチ」の伴走型の支援と親和性が高いといえます。 本記事では、カウンセリング理論を起点とした課題設定型アプローチを中小企業支援者として中小企業コンサルティングに取り入れる意義と、その具体的方法を探ります。従来の問題解決型支援との違いや、伴走支援の普及・実践事例、支援者に求められる技能・配慮についても触れ、日本全国で展開される伴走型支援の可能性を読み解きます。これにより、中小企業・小規模事業者が本来有する大きな潜在力を引き出し、地域経済さらには日本経済全体の持続可能な発展へとつなげる新たな視座を提示します。 カウンセリング理論とは? ロジャーズの「クライエント中心療法」を軸に解説 クライエント中心療法の基本概念 クライエント中心療法は、カール・ロジャーズ(Carl R. Rogers)の理論に基づく心理カウンセリングの手法です。ロジャーズによれば、カウンセリングの目的は「相談者(クライエント)が自己理解を深め、本来内在している成長・変化の力を引き出すこと」にあります。ポイントは、支援者が「解決策」を一方的に与えるのではなく、相談者自身が問題解決に主体的に関わるための『自己発見プロセス』をサポートすることにあります。 信頼関係構築の核となる3つの要素 ロジャーズ理論では、以下の3要素がカウンセリング関係を支える土台として

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起業アイデアを出すアプローチ

「起業アイデアがない」状態から脱出!適性・市場性・やりがいを軸に独立を実現する起業アイデア発想法

私は、毎月コンスタントに10人以上の方から起業や創業の相談を受けています。そんななかで、「起業してみたいけどアイデアない」「起業アイデアがないので動けない」と悩む方は多いです。また、自分で事業をしたことがなかったり、家族がサラリーマンや公務員などで自分で事業をしている人が周りにいないことで、起業の不安を大きく感じている人がいます。リスクをおさえて会社員として働きながら副業的に週末起業を実行するなど、独立への足がかりとなるようなアクションを取る人も多いでしょう。この記事では、1人でリスクを抑えて起業するスモールビジネスを前提に、起業のアイデアを生み出す3つの視点を紹介します。 1. どうして起業のアイデアが浮かびづらいのか? なぜアイデアが出にくいのでお願いしますか?その背景には、以下のような理由があります。 これらの要因により、自信を持って「これだ!」と思える起業アイデアが生まれにくいのです。 では、これを受けて「独立や起業アイデア」を明確にし、リスクを減らしながら起業するためのアイデアの出し方を具体的に伝えます。 2. 適性(自分のできること)から起業アイデアを考えよう 転職をするときにあなたはどのように考えますか。これまで経験してきたこと、身に着けてきたスキルや知識など、これまでのキャリアの棚卸しから始める人が多いでしょう。起業アイデアを迷っているところを見落としがちなのが、自分自身の「適性」に目を向けることです。これは就職や転職活動の際によく行う「キャリアの棚卸し」に似ています。キャリアの棚卸しでは、これまでの職務経験、培ってきたスキル、知識、得意分野などを振り返り、自分がどのような仕事に向いているか考えますよね。同じように、起業を検討する際もまずは自分の強みを再確認することが出発点となります。 社会経験が少ない人でも、アルバイト、部活、サークル活動、家事や育児、趣味や勉強会など、これまで身につけてきた知識やスキルは必ずあるはずです。大学での研究活動で得た分析力、趣味で続けたブログ運営で磨かれた情報発信力など、これらの要素はすべて「自分の強み」として起業アイデアの種になります。 起業というと、ゼロから新しいアイデアを「ひねり出す」イメージかもしれませんが、このような自分の「できること」から起業を考えるアプローチは、アイデアをカタチにしやすく、またスモールビジ

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ECモール依存から脱却!自社ECサイトで売上拡大するための集客・商品ページ改善・SEO戦略ガイド

ECモール依存から脱却!自社ECサイトで売上拡大するための集客・商品ページ改善・SEO戦略ガイド

これまでECモールに出店していた事業者が、その支払手数料の高さなどを理由に自社ECサイトを強化したいという相談を多く受けます。自社ECサイトで売上を拡大するためには、「お店に顧客を呼びこむこと」が重要な鍵になります。 本記事では、ECモールと自社ECサイトの違いを整理しつつ、集客数アップを中心に、加えて商品ページ改善、顧客ニーズ分析、そして具体的なキーワード選定について解説します。 目次 1.ECモールと自社ECサイトの違い 楽天をはじめとするECモールでは、そろそろ購入可能なユーザーが商品を探しており、例えば楽天では独自のキャンペーンや広告などで比較的容易に集客が可能です。一方で、出店コストや顧客データ取得の課題、顧客管理の難しさが課題となります。 対して自社ECサイトは、自力でのゼロからの集客が必要です。SEO対策、リスティング広告、SNS、メールマーケティングなど多岐にわたる集客活動が求められますが、顧客を獲得できれば、利益率のよいビジネスが展開でき、加えて顧客管理を適切に行うことができれば、長期的に強固な顧客リストやブランドを養える点が、自社ECサイト最大の強みです。 2. 売上増加の基本方程式 ECサイトの売上は、売上高 = 集客数 × 購買率 × 客数で表すことができます。 楽天などのECモールに先に出店しており、そこで販売実績がある場合、購入率や客単価には一定の裏付けがあると考えられます。そのため、自社ECサイトでの課題はまず「集客数の増加」を重視すべきでしょう。 3. 集客数アップのための具体的な手法 (1) SEO対策SEO対策は、検索エンジン上の表示順位を改善する継続的な取り組みです。キーワード選定、質の高いコンテンツ制作、サイト構造の最適化、モバイル対応、被リンクの獲得など多面的なアプローチが求められます。 (2) コンテンツマーケティング顧客に有益な情報(商品活用術、ライフスタイル提案、トレンド情報など)を発信し、価値を提供する顧客と洞察関係を構築します。自然拡散され、安定的な流入につながります。品質の良いコンテンツを数多く掲載することは、SEO対策上とても有用です。 (3) 検索連動型広告(リスティング)顧客が入力したキーワードに連動する広告を表示する手法です。ニーズが顕在化している顧客に対して、直接商品を訴えられます。効率的なリスティン

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組織文化

中小企業で従業員の主体性や当事者意識を育む鍵は「組織文化」──エドガー・シャインの3層モデルで深層を探る

はじめに 中小企業支援の現場において、従業員に関する悩みを聞くことがあります。従業員にもっと考えて仕事してほしい、言われたことだけではなく主体的に行動してほしい、など従業員の主体性に関する経営者や管理職の要望を耳にします。それらを、研修や、1on1の導入で対応しようとするケースもありますが、効果の実感が見られず、いつしか取り組み自体が弱火になっている場合があります。従業員の当事者意識が高い企業、エンゲージメントが高い企業、そういった企業にしたいと考え、様々な人事施策や組織開発、人的資源管理のためのソフトウェアの導入・活用などを検討している経営者や人事担当者の方もいますが、決して抜かしてほしくない視点が「組織文化」です。組織文化によっては、そもそも当事者意識を高くするのは難しいかもしれません。 組織文化の深層構造を理解する 組織文化と聞くと、「企業らしさ」「社風」といった言葉がまず思い浮かぶかも知れませんが、組織文化はもう少し深い構造を持っています。ここで参考にしたいのが、組織文化研究の大家であるエドガー・シャイン(Edgar H. Schein)によるフレームワークです。シャインは、組織文化を大きく3つの層に分けて理解するモデルを提案しました。 組織文化の3つの層 1. 人工物(Artifacts) 組織文化の一番外側の層が「人工物」です。これは、オフィスの掲示物、レイアウト、制服、組織構造といった「目に見えるもの」です。例えば、経営者がしきりに「社員間の創意工夫が会社の価値を生む」と言い、行動指針として社内掲示板に大きく張り出していることがあれば、それは人工物として外部に示される「組織が目指す姿」と言えます。このような目に見える表層に現れる観察可能なものが人工物で、組織内外の人によって把握されやすいものでもあります。 2. 表明された価値(Values) 組織文化の一番外側の層の人工物の内側には「表明された価値」が存在します。ここには、組織が公式あるいは非公式に認める理念、価値観、哲学、行動規範、評価指針などが含まれます。例えば「顧客満足を最優先する」「チームで解決策を考える風土を育む」といった価値観や標語、リーダーが折に触れてメンバーに語る言葉などがここに含まれます。この「表明された価値」のレベルは、経営者や人事担当者が比較的コントロールしやすい領域です。研修

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