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売れない営業が売れるようになった事例

営業の仕事をしている人で、自分の営業成績に悩んでいる人はかなり多くいらっしゃるでしょう。

私自身、新人の時は、全く売れずに大変苦労しました。しかし、たった一つの気づきで劇的に状況が代わりました。

それにより、リクルートという会社で2年目以降は全期営業目標を達成し、年に2~3回表彰されるようになりました。

たった一つの考え方でしかないのですが、それによって劇的に営業スタッフの営業の状況を変えてくれる可能性があります。

この記事では、私を劇的に変えてくれて、助けてくれた気づきをお伝えします。 記事を読み終えると、営業職の方へのヒントや営業マネジメントの方にとって営業スタッフの育成やマネジメントを助けてくれるヒントを得ていただけるでしょう。

自分の都合しか考えておらず、アポイントをまともに取れなかった

広告媒体の枠を売る法人営業として、仕事を始めたときに、最初の2週間は引継ぎアポでした。

その引継ぎアポの際に、2回目のアポをいただき、2回目は1人で伺う機会を得るような引継ぎでした。

良く売ると評判の女性営業の先輩から、引き継いだ会社では、2回目の引継ぎアポの訪問で全掲載が落ちました。

部署のエース(教育担当)の先輩から、引き継いだ案件では、引継ぎアポの次の訪問で、クレームを受けました。

また多くの会社は、すでに退職した前任者の引継ぎ案件で、ろくな引継ぎもなく、またその前任者がすこしひどい仕事ぶりだったこともあり、顧客からの期待値が非常に低い状態でした。

たまたま不運が重なったこともあったのですが、直属の上司のマネージャーが退職することを決めていたこともあり、当時のチーム状況が芳しくなかったことも影響しました。

結果、私はかなり悪いスタートになってしまいました。

さらにそれに加え、私は「冴えないやつ」、「つまらないやつ」でした。

さらに、業界の情報もマーケットの情報も、自社商品の情報さえも、まだよくわかっていない新人と会う価値はありません。

先輩が取ってくれた2回目のアポは、ただ良くわからないまま会社から言われた提案をし、断られ、変な空気になるだけで、無駄に終わりました。

そして、2か月目から多くの会社でアポイントが取れなくなりました。

アポが取れないからと、ずっと会社の椅子に座って、先輩の提案書や、自社サービスについて調べていたら、直属の上司のマネージャーにめちゃめちゃ怒られました。

法人営業なのに終日会社のデスクに座って何やらしていることがありえなかったようです。

その上司から、「やる気ないなら、辞めろ。辞めるならできるだけ早く辞めろ。その方がまわりに迷惑かからんから」と言われました。

直属の上司だったマネージャーからは、かなり厳しい指導をされており、それを聞いた誰かが会社の人事部に報告してしまいました。

東京本社に呼び出されて、カウンセリングを受けさせられるなど、会社からも心配されていました。

ただ、わたしは実は心身ともに全くの健康で、明らかなパワハラ的な言動も、たいして堪えていませんでした。

何をやっても全くダメな新人だったのですが、パワハラ耐性だけは高かったのです。

とにかく、自分のできることを少しでもしようと思い、朝9時始業のところ、毎朝7時に出社しました。

毎朝一番乗りで、社内のパソコンからしかみれないデータや資料を見て、10時ごろになったら、他の先輩と同じようにアポイントに出かけていきました。

アポイントはほとんどなく、半分は架空のアポでした。

アポイントはないけど社外にいないといけなかったので、気づけば田んぼのあぜ道を革靴をぐしょぐしょにしながら歩いていたこともありました。

やる気はあったのですが、完全に給料泥棒でした。

もちろんアポを受けてくださる方もいらっしゃいました。

その会ってくださる方に先輩から教えてもらった業界のトピックスを話し、雑談し、帰ってきていました。

営業の提案は怖くてできませんでした。またアポが取れなくなるのが怖かったのです。当たり前ですが当然受注はできません。

教育係の先輩は、自分の仕事が終わってから、夜22時を過ぎるぐらいまで残ってくれ、毎日のように様々な指導をしてくれました。

非常にありがたかったのですが、アポイントが架空であることは言えません。

「どうだった?」と聞かれ、ひたすら嘘をついてごまかしていました。

嘘をつかないといけないこともあり、せっかく指導してくれていたのですが、私には本当につらい時間でした。

ただただ、周りのお荷物になっていることが、情けなく、悔しく、なんとかしたいという気持ちでした。

でも、どうしたら良いかわからない、そんな日々を送っていました。

それが、ある研修をきっかけに、一つのことに気づいて、劇的に変化しました。

そしてその研修の2か月後(入社して6か月目)に初めての受注ができ、そこから少しずつ営業が動き出しました。

私は、この「気づき」に本当に助けられました。

その「気づき」とは、自分都合ではなく、相手都合で考えるということです。

相手の隣に座って、同じものを見ようとし、その方の求めるものを提供しようとする姿勢で顧客と向き合い、常に何が提供できるかということを考えるということです。

自分の利を一度手放し、相手の隣で相手の求めることを知ろうとし、それに役立とうとする姿勢が大切

先述の研修で、私は、「てんびんの唄」(外部リンク;http://tenbinnouta.ciao.jp/)という研修用の動画を観ました。

これが私には、めちゃめちゃ刺さったのです。

主人公は、少年なのですが、鍋の蓋をなんとか売ろうとします。

ただ、全くというほど売れません。売れないどころか誰にも相手にされず、心がすさみ、よからぬことまで企みだします。

そんな主人公に、私は、ものすごく共感しました。

まさに、今の自分を見ているようで、全然売れない少年を見て、一緒になってどうやったら売れるのか考えるのですが、全く検討がつきませんでした。

しかし、最後には、その少年は、鍋の蓋を売ることができるのです。

それは、我欲を手放したときでした。

つまり、営業をしていると何とか売りたい自分がいますが、売りたいという自分の利ばかりだと相手は離れていくということです。

自分の利を手放し、自分は何ができるか、どんな人に役に立つことができるか、を考えることが大切なのだということを「てんびんの唄」は教えてくれました。

当時の私には、売るために何をしたら良いかはわからなかったのですが、顧客それぞれに役に立つために何ができるかと考えると、いくつかのことが私にもできることが思いついたのです。

結局、私はアポが欲しいだけでした。

そのために、電話のトークとしてアポの口実ばかりを考えていました。それでうまくいかず、八方塞がりに感じていました。

すべての顧客と話したことを思い出し、一人ひとりの顔を浮かべ、私に何ができるかを考えたのです。

役に立つために何ができるかを考え、その準備をし、それにご興味はございますか?と電話で尋ねるするようにしました。

先輩に聞く内容も変化しました。

それまでは、「○○という会社の□□という方がいまして、△△な人なんですが、どうやったらアポが取れますか?」といった質問をしていました。

「てんびんの唄」を観てからは、「○○という会社の□□という方がいまして、△△な人なんですが、その人の役に立つためにどうしたら良いと思いますか?」といった質問をしていました。

それまで、やる気はあったのですが、アポが取れず、何をしたら良いか全くわからなくなってしまっていた私は、それ以降何をやったら良いかがわかるようになりました。

まさに水を得た魚で、役に立つために何ができるかを考え、その準備をすることに集中して取り組んだのです。

すると面白いようにアポが取れるようになりました。

アポイントの場での会話も変化しました。

目の前の人が、何を考え、何をしたいか、何を求めているのかを必死に知ろうと努めました。

それまでは、アポイントが取れても、ヒアリングができませんでした。

しかし、向き合う姿勢が変わってからは、面白いぐらいにヒアリングができました。

自然と質問が私からも出てきて、内容のある話をしてくださるようになりました。

もちろん、まだまだ至らないところが多く、顧客から様々なご指摘もいただきました。 しかし、もともとアポすら取れなかった私は、非常に充実を感じることができるようになったのです。

そこから起こった劇的な変化

自分の利をいったん手放し、相手の求めるものに焦点を合わしだしてから、仕事が動き出しました。

アポが取れだし、会話の質が変わり、初受注もしました。

そして、ついには顧客の側から電話が来るようになりました。

向こうから、お願いごとをされるようになったのです。

そして、そのうち、向こうからアポを取ってくださるようになりました。

新規のプロジェクトを始める際に、相談してくださるようになりました。

広告の枠を超えて、企業のブランディングの相談もいただくようになりました。

顧客の会社の会議に出席したり、顧客のスタッフに研修をしたり、もするようにもなりました。

ついには、新居の引っ越しパーティに呼ばれたり、1泊2日の温泉旅館での忘年会に参加させていただいたり、顧客の会社のゴルフコンペの幹事をさせていただいたり、しました。

しかも、お世辞にも、宴会に読んでも大して面白くない私が。

これらは、もちろん私一人の力では全くありません。

会社のこれまでの付き合いや、それまで信頼を築いてくれた先輩方、助けてくれた上司や同僚、様々な助力あっての話です。

しかし、アポイントすら取れなかった私が、こういうことができるようになったきっかけは、まぎれもなく相手の隣に座り、相手を必死に理解しようとしだしてからなんです。

営業マンには様々なタイプがあります。

キャラクターで仲良くなり、理屈じゃない受注をする営業もいるでしょう。

プレゼンがうまい営業もいるでしょう。

明るさと狡猾さでクロージングをする営業もいるでしょう。

ヒアリング重視の営業もいるでしょう。

飲み二ケーションで押し切って受注している営業もいるでしょう。

圧倒的な情報量で武装する営業もいるでしょう。

その他のタイプの営業や、いくつかのタイプを組み合わせた人もいるでしょう。

あなたはどのタイプの営業でしょうか?

会社から、上司から、先輩から、指導を受けている営業のタイプはどういう営業のタイプでしょうか。

自分に合う営業のタイプがすでにあり、成果が出ている方は良いです。

ただ、まだ自分の営業のタイプが固まってなかったり、営業成績が出ずに苦しんでいたり、先輩や上司からの指導にメンタルブロックを感じている人は、是非参考にしてください。

売ろうとすることを手放し、相手の役に立つことにフォーカスしたら、世界が180度変わります。

営業成績を上げようと思えば、それだけでは足りない部分も正直あるのですが、ただ、確実に仕事がもっと楽しく、やりがいを感じれるようになります。

勤めている会社によっては、上司の理解を得るのは難しいかもしれません。

一時的には営業成績が落ちてしまうかもしれません。

それでも、試していただく価値は十分にあります。

「てんびんの唄」の根底には、近江商人の「三方よし」の考えがあります。そしてその「三方よし」の考えを具体的に示した商売十訓というものがあります。

ご興味があれば、そちらもお調べください。簡潔に的確に表現されています。

本日お伝えしたことは、まさにその近江商人の教えに沿うものかと考えています。

記事のまとめ

本日は、営業として大切な姿勢、考え方についてお伝えいたしました。

この記事の内容をまとめますと

    ・自分の利ばかりを考えていると、アポすら取れなくなってしまうということ

    ・自分の利を手放し、相手のために何ができるかに集中することの効果

    ・自分の利を手放したことによって、どれほどの変化がもたらされたか

    という3つの観点でお伝えしました。

  仕事を楽しくやりがいのあるものにするか、つらくしんどいものにするかは、あなた次第です。

    営業の仕事は、成果が数値ではっきりと示されることもあり、残酷な側面があります。

    コミュニケーションに苦手意識があるなど、最初苦労する人も多くいます。

    ただ、正しい努力をすれば、トップクラスの営業にはなれなくても、そこそこの営業には誰もがなれます。

    近江商人の姿勢や考え方に基づいて仕事をすれば、顧客と良好な関係を築け、仕事がいっそうやりがいのあるものになるでしょう。

    ぜひ、その一歩を踏み出していただきたいと思います。記事をご覧いただきありがとうございました。

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