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【診断士試験対策】経営戦略って何?理解する上で押さえておきたいポイント

企業経営理論(経営戦略)は、抽象的で理解しづらいです。

しかし、その全体像と経営戦略のポイントは比較的簡単に理解することができます。

この記事では、経営戦略について理解する上で押さえておきたいポイントを紹介します。

記事を読み終えると、経営戦略に関しての理解が深まり、今後の企業経営理論の学習がはかどるようになるでしょう。


  企業の競争力

経営戦略はなぜ必要なのか

経営者の役割は、有限の経営資源を効果的に活用して、最大限の成果を上げることです。

そのために、経営者は、持続的な競争優位を築こうとします。

「競争優位」は経営戦略における重要なキーワードです。

「競争優位」とは、他の会社ではなく、ウチの会社を顧客に選んでもらうための理由となる要素です。

これには2つの側面があります、競合より「価値がある」か、競合より「コストが安い(価値が同程度で)」か、とい2つの側面です。

つまりコスパです。合理的な消費者はコスパが良いものを選択します。

競合より価値が高い製品やサービスを生み出すか、あるいは同程度の価値を低価格で供給できれば、それが競争優位になるのです。

ちなみに、イメージと要素もあります。人は理屈では説明できない意思決定をすることがあります。

好きだからと言って、特定のブランドの服を購入し続けることはこれに当てはまります。企業のイメージや風評は、顧客の意思決定の大きな要素になりえます。

つまり、イメージも第3の側面として考慮しなくてはならないのではないかという考えです。

実は、イメージは価値に含むことができます。

良いブランドのものを身に着ける、使用することで、精神的な満足を消費者が得るなら、それはその消費者にとって価値があるのです。

つまり、この「価値がある」という側面における価値とは、消費者にとっての価値なのです。

このように競争優位は、コスト(価格)とパフォーマンス(価値)のコスパで捉えられるのです。

また、「競争優位」を考えるうえで、必ず考慮しなくてはならないことがあります。

それは模倣可能性です。つまり、パクりやすいかどうかです。

競争優位を築き、一時的に業績が良くても、その競争優位の源が、パクりやすいものだったら、すぐにマネされてしまいます。

なので、経営者は、できる限りパクられづらく持続性のある競争優位を築くことが大きな役割となるのです。

そのために、経営戦略が必要なのです。どうやったら、持続的に敵(競合する会社)に勝てるか、その方法論を示したものが経営戦略なのです。

他の業界の有名な企業の成功した戦略を模倣すれば良いと考える経営者もいらっしゃいます。

これは、大間違いです。

経営戦略は、唯一絶対の答えがあるものではありません。これをやっておけば大丈夫というものではないのです。

その会社のおかれている外部環境やその会社の組織の特性、今後どのようにしていきたいか(ビジョン)などと密接に関わります。

戦略はそのまま模倣することは効果的ではないのです。

経営は、海図のない航海に例えられることがあります。

海図がないので、目的地がどこにあるのかもわからないですし、間違いのない航路を選ぶこともできません。前人未到の海に繰り出すようなものです。

ただ、自分でどこに行くのかを決めるのです。ここで自分が定めた目的地が、経営ビジョンです。そしてビジョンを実現するための戦略が経営戦略です。

真っ白な海図に目星をつけて、ビジョンを自分で海図に示し、その方向に向かって進んでいくのです。

その方角を示すコンパスが経営戦略です。

ビジョンを達成するために適切な戦略を立案し、それをコンパスとします。

経営する中で荒波に飲まれることもあるでしょう、そんな時に頼るものが経営戦略なのです。

会社のおかれている環境や持っている資源によって、適切なコンパスは変わります。

だから、経営戦略は憧れの企業の戦略をマネするのではなく、自分で適切な戦略を構築する必要があるのです。

憧れの企業の戦略の模倣、さらには複数の企業の戦略を切り取ったものを組み合わせて戦略としている会社を見たことがあります。

このような戦略は形だけのものとなり、持続的な優位性をもたらしてくれるものにはなりません。

自分の会社が、自分の業界で、どういう戦略だと良いのかは、自分の頭で考えて構築しないといけません。


紛らわしい事業戦略と全社戦略

経営戦略と言っているときに、事業戦略を意味していたり、全社戦略を意味していたりします。

これは、結構ややこしく、意識しないと混同してしまうことがあるでしょう。

明確にどちらのことを言っているのかを文脈から判断しましょう。

中小企業診断士試験の場合、対象となる企業は中小企業です。規模の小さい中小企業は単一の事業を営んでいます。

この場合、事業戦略と全社戦略は同じです。

しかし、企業の規模が大きくなると複数の事業を営むようになります。

そんな時に、事業間の経営資源の配分をどうするか?新規事業にどう取り組んでいくか?複数の事業全体の事業領域をどう設定するか?などは、全社戦略の課題となります。

時にはある事業の利益を追求することが全社的にマイナスになることもあります。

部分最適が、全体最適につながるわけではないのです。

複数事業を営んでいる会社における戦略を考える上では、各事業部の戦略と会社全体の戦略を明確に区別して捉える必要があるのです。

経営戦略という言葉が出てきた際には、全社戦略のことか、事業戦略のことか、区別するようにしましょう。

戦略の階層について、海図のない航海の具体例で、考えてみます。

登場人物は、「船乗り十訓~なぜ俺たちは危険な航海に出るのか~」、「白紙の海図に示された目的地」、「コンパス」、「各船員の作業計画」です。

なかったら困るものが、階層の上位で、なくても大丈夫なのが階層の下位です。

どういう順番になるか少し考えてみてください。

最上位は「船乗り十訓~なぜ俺たちは危険な航海に出るのか~」です。

これは、船に乗る理由であり、船に乗る目的であり、船に乗る上で大切にしている価値観です。

これがないと海に出る理由がないので、そもそも航海に出ません。(船乗り十訓って、ちょっとわかりづらくて申し訳ございません)。

次に上位に来るのが、「白紙の海図に示された目的地」です。

目的地がないとどこを目指していいのかわかりません。その目的地に本当にたどり着けるかわかりませんが、目指す目的地を決めて、航海を始めるのです。

そして次が「コンパス」です。

なくても航海はできますが、目的地に近づくのはかなり難しくなってしまうでしょう。

最後が「各船員の作業計画」です。

なくても何とかなりそうですね。実際はこれがないと効率的な航海はできませんが、この4つのなかでは、最下位でした。

もうお分かりかと思いますが、

「船乗り十訓~なぜ俺たちは危険な航海に出るのか~」 ⇒ 「白紙の海図に示された目的地」 ⇒ 「コンパス」 ⇒ 「各部署の作業計画」のそれぞれが、

「経営理念」 ⇒ 「経営ビジョン」 ⇒ 「経営戦略」 ⇒ 「実施計画」に対応しています。

ここで船のコンパスは、事業戦略です。船が一つではなく、複数の船から構成される船団になったときに、旗艦の船のコンパスが全社戦略になるのです。

一言でコンパスといっても事業戦略を指すのか、全社戦略を指すのかはその時々によって変わることがお分かりいただけたでしょうか。

ちなみに、経営理念のことを様々な呼び名で呼びます、会社によってはミッションとかバリューとかの名前になっているでしょう。

多くの場合、ミッションが経営理念です。バリューは理念に近い意味合いのこともあれば、従業員に求める価値観のようなこともあります。

内容で判断すれば良いかと思います。こういった部分は診断士試験では出題されないと考えられるので、試験対策では気にしなくて大丈夫です。


経営戦略を考える上での3つの視点

さて、ここまでお読みいただき、経営戦略の必要性がお分かりになると同時に、経営戦略に関する理解が深まっていただけたのではないでしょうか。

最後に中小企業診断士試験によく出る、「ポーターの競争戦略」、「リソースベースドビュー」について見ていきましょう。

これは、ともに、経営戦略を考える上での視点(アプローチのしかた)です。

ポーターの競争戦略(競争戦略と呼ばれることも多いです)は、外部環境を出発点に経営戦略を考えるアプローチです。

リソースベースドビューは、内部の経営資源を出発点に経営戦略を考えるアプローチです。

外から考えるか、中から考えるか、です。

ちなみにリソースベースドビューは、和訳すると意味がわかりやすいです。

経営資源(リソース)をもとに(ベースド)見る(ビュー)です。そのまんまですね。

ポーターの競争戦略では、外部環境を分析します。

外部環境の様々な要素を分析し、その結果、ウチはどこにポジションを取るのが良いのかを考えます。

これは、孔子の兵法とも通ずるのですが、勝てる土俵で勝負するということです。

負ける土俵では戦わないようにするということです。

「リソースベースドビュー」は、自社の経営資源を分析し、自社の強みをもっと伸ばそう、しっかり活かそうとするアプローチで考える戦略です。

どちらか一方がよく、どちらか一方が悪いというわけではないのがご理解いただけるでしょう。

両方の視点から戦略を検討するのが良いです。これらの2つのアプローチの考え方は現在の経営戦略の基本です。

中小企業診断士試験では、最頻出論点ですので、確実に得点できるように押さえておきましょう。

ちなみに、中小企業診断士試験は試験範囲が広いですが、出題傾向は偏っていますので、「頻出論点を確実に抑える」というのが何より大切な試験対策の戦略です。

さて、話を戻しますが、「ポーターの競争戦略」、「リソースベースドビュー」は、ある時点での分析です。

つまり、戦略を立案するタイミングでの状況を、外側からや内側から分析して戦略を立案する方法です。

そういった意味で、比較的静的(変化のない状況)な分析といえるでしょう(厳密には変化も考慮しますが)。

そこで、経営戦略を考える第3の視点として注目を浴びている動的なアプローチがあります。それは、ラーニング論と言われます。

学習する組織という言葉を聞かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

中小企業診断士試験ではかなり出題されづらいですので、試験対策という意味では現時点ではあまり重要ではありません。

しかし、後学のためにご興味のある方は是非試験のあとにしっかり学習してみてはいかがでしょうか?

ちなみに、中小企業診断士試験の試験対策においては、余計なことはせずに効率的に着実に進めるのが非常に大切です。

頻出論点を確実に理解してから、組織学習については学んでください。この勇気ある後回しをして、メリハリのある学習をするのが大切です。


ブログのまとめ

まとめ:【診断士試験対策】経営戦略って何?理解する上で押さえておきたいポイント

中小企業診断士の試験対策として、経営戦略で押さえておきたいポイントをお伝えしました。

この記事の内容をまとめると下記です。
・経営戦略は、会社が目的を目指して進んでいくために、とても大切なもの。

・事業戦略か全社戦略か、どちらを意味するかは文脈で判断する。

・「ポーターの競争戦略」は外側から見るアプローチで、「リソースベースドビュー」は内側から見るアプローチで、どちらも戦略を考える視点

戦略の必要性とポイントをお伝えしました。各論にいきなり入る前に、各要素の関係性がわかると一層理解が深まります。

「ポーターの競争戦略」と「リソースベースドビュー」は、確実に理解したい論点ですので、別の記事にて詳細を解説します。

記事をご覧いただき、ありがとうございました。   

この記事を書いた人
木下洋平

経営コンサルタント・研修講師
「ヒトが育つチームづくり」をはじめとした、人材育成と組織開発を得意としています
(保有資格)中小企業診断士・キャリアコンサルタント

投稿日 2021年3月02日

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