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【診断士試験対策】コトラ―の競争地位別戦略(リーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャー)の戦略の解説

中小企業診断士試験に3年に一度くらいの頻度で出題されるコトラ―の競争地位別戦略を解説します。

競争地位別戦略とは、市場におけるシェアに基づき、「リーダー」、「チャレンジャー」、「フォロワー」、「ニッチャー」の4種類に分類します。

そして、それぞれの地位に基づき取るべき戦略が異なるという考え方です。

この記事では、競争地位別戦略について解説します。

理解しやすい部分なので、確実に理解しておきましょう。


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市場のシェアの順位で取るべき戦略が変わるのが競争地位別戦略

競争地位別戦略を提唱したのは、フィリップ・コトラ―です。

コトラ―は、マーケティングの大家です。

競争地位別戦略は戦略の領域で出てきますが、マーケティングの戦略という認識でみるとわかりやすいのではないでしょうか?

マーケティングの戦略を考えるうえでは、2つの軸が出てきます。

それは、「シェア」と「市場規模」です。

市場規模が100億円のマーケットで、シェアが30%だと、会社の売り上げは100億円×30%=30億円となります。

売上を拡大したい場合のマーケティング戦略においては、シェアを高めるか、より規模の大きい市場に参入するかが基本になります。

コトラ―の競争地位別戦略は、マーケティングの「シェア」と「市場規模」という軸で捉えれば、より理解しやすいでしょう。

さて、競争地位別戦略は、企業を「リーダー」、「チャレンジャー」、「フォロワー」、「ニッチャー」の4種類に分類します。

これは、市場での獲得シェアの大きい順です。

つまり、もっともシェアを獲得しているその市場のNo1企業が「リーダー」です。

2位以下の企業は、No1企業と戦うか戦わないかの選択をします。

No1企業と戦うことを選んだ企業が、「チャレンジャー」です。

No1企業と戦わないことを決めたのが「フォロワー」と「ニッチャー」です。

これらの4種類の企業は定石といえる戦略があります。

それぞれの種類の戦略の定石を抑えることが、競争地位別戦略の学習では大切です。

それでは、「フォロワー」と「ニッチャー」の特徴と戦略定石を解説します。

「フォロワー」は戦わないことを選んだ企業です。

経営資源に劣るので、下手に戦うよりかは、追従することを選んだのです。

自分でリスクを犯して挑戦することはしません。研究や開発、広告宣伝費などの投資はできる限り抑えようとします。

「リーダー」が切り拓いた市場に、マネできることをマネして、後からリスクと投資を少なく参入するのです。

品質などで差別化しようとしないので、基本的には付加価値は高くないが価格は低い代替品の選択肢を与えるという考え方です。

できる限り投資を抑え、コストを抑え、少ないシェアでも利益が出るようにするのが戦略定石です。

「フォロワー」と聞けば、戦わずに「リーダー」のあとについていって、「小さいリスク」で「ちょっと品質が悪いけど、ちょっと安い選択肢」で、「小さい利益」を得ると考えましょう。

「ニッチャー」も戦いを避けます。

「ニッチャー」は、「リーダー」のあとについていくのではなくて、「リーダー」が興味を示さないようなところを探して、そこに経営資源を集中させるのが戦略定石です。

ポーターの競争戦略の3つの基本戦略の1つの集中戦略と同じ考えですね。

市場をセグメントし、そこに集中特化し、そこでNo1を目指すのです。


チャレンジャーの特徴と戦略定石

「チャレンジャー」の特徴は、市場で1位ではない企業ですが、2位など有力な企業です。

そして、「リーダー」と戦うことを選んだ企業です。

「チャレンジャー」の取るべき戦略は、その立場によって変わりますが、定石といえる2つの戦略をご紹介します。

正面から正々堂々と戦うか、「リーダー」の弱点を見つけてそこを攻めるかです。

正々堂々と戦うことを選択する時というのは、経営資源に差があると基本的には勝ち目がないので、経営資源に大きな差がない場合がほとんどです。

アサヒビールとキリンビールのように、それぞれの商品の差別化をして戦うのは良いですが、差別化ができず価格競争に陥ったかつての牛丼チェーンのようになると、互いに利益率が低下し苦しむことになります。

正面から戦うのは、消耗戦になることが多く、喧嘩両成敗で、互いに疲弊することが多いです。

ですので、繰り返しになりますが、経営資源に差がない場合を除いてあまり選択されないと考えても良いでしょう。

「チャレンジャー」の戦略定石として主なのは、「リーダー」の弱点を見つけてそこを攻める法です。

価格を一気に下げたり、「リーダー」ができない手間をかけたり、「リーダー」が注力していない領域に注力したり、今後伸びてくる領域に注力したりします。

「リーダー」は基本的には全方位をカバーしたいので、必ず手が行き届かない部分があります。

将来性のある領域でひっくり返すというのは、よく選択される戦略です。

つまり「チャレンジャー」は、市場の将来性のある領域を考慮したうえで、「リーダー」の弱いところ、逆転できるところを見つけ、そこで差別化して「リーダー」に挑戦するのが戦略定石です。


リーダーの特徴と戦略定石

続いて、リーダーの特徴と戦略定石を見ていきましょう。

診断士の試験対策上、実は、リーダーを抑えるのが最も大切です。

とにかくリーダーの戦略定石は確実に抑えましょう。

試験では、「リーダー」の戦略定石なのに、それが「チャレンジャー」や「フォロワー」の戦略のように記述されて出題されることが多いです。

「リーダー」とそれ以外では、戦略定石が全く異なります。

「リーダー」の戦略定石ということは、必ずそれ以外の戦略定石ではありませんので、明確に区別できます。

シェアを守る「リーダー」と、攻める「チャレンジャー」と、戦闘を回避する「フォロワー」と「ニッチャー」で、戦略が同じであるわけがないことはよくご理解いただけるでしょう。

「リーダー」の戦略をしっかり理解できれば、それだけで試験の選択肢をかなり絞れるでしょう。

さてそのもっとも大切な「リーダー」の戦略についてです。

「リーダー」の戦略は、大きく2つです。

シェアの維持・拡大と市場規模の拡大です。

シェアの維持・拡大とは、まさに競争優位を築く戦略です。

強者の戦略の基本は、ポーターの競争戦略でいうところのコストリーダーシップ戦略で、コストを下げることで、収益性や価格優位性を築くことです。

さらに、その豊かな経営資源を活かして、新商品の開発や広告宣伝にも力を入れます。

チャレンジャーが差別化をしてくるので、シェアを奪われないようにその差別化を同質化します。

同質化とは、差別化してきた部分をマネることで、差ができないようにすることです。

もう一つ、「リーダー」が選択するのが市場規模の拡大です。

もっとも高いシェアを確保している企業が、市場規模の拡大の恩恵を最も受けます。

そのため、積極的に取り組むのです。

市場規模を拡大するために様々な普及活動・啓発活動を行います。

例えば、ウィスキーのNo1のサントリーさんが、ハイボールという飲み方を広告などで訴求したのをご存じの方もいるでしょう。

また、一方で、かつての外食産業の牛丼市場のように、価格競争が起こった時に、最も痛手をこうむるのは「リーダー」です。

単価が下がると最もシェアが高い企業が最も売り上げを減らします。

「リーダー」が最も積極的に投資を行っていることが多いため、固定費の規模が大きく、経営上のリスクが大きく、一気に業績が悪化する危険性があります。

安易な価格競争には、「リーダー」は基本的には消極的です。

市場全体の動きによって、良くも悪くも、最も影響を受けるのが「リーダー」です。

また以下は余談ですが、日本は国内市場がかなり大きく相対的にグローバル展開の意識が低いことも起因して(税制の問題など様々な問題があります)、グローバル市場で苦戦する日本企業が多いです。

国内では「リーダー」でも国際的なシェアが低い企業も多いので、国内で「リーダー」の座を守りながら、国際的には「チャレンジャー」などになることもあります。

そうなると国内でのマーケティング戦略と世界的なマーケティング戦略では、当然戦略は変わってきます。

ちょっとややこしいのでこれは雑学程度に抑えておいてください。


ブログのまとめ

まとめ:コトラ―の競争地位別戦略の解説

中小企業診断士の試験対策として、コトラ―の競争地位別戦略の解説をしました。

この記事の内容をまとめると下記です。
・シェアの順位により、取るべき戦略が変わる。4パターンあり、フォロワーとニッチャーは戦いを避ける

・チャレンジャーは戦う戦略。正々堂々と戦うか、弱点を攻めるの2パターンがあるが、基本的には差別化して弱点を攻める

・リーダーも2つの戦略があり、チャレンジャーの差別化を無効にする同質化などのシェアを守る戦略か、市場規模を拡大する戦略を取る

市場でのシェアの獲得割合によって、明確に取るべき戦略が変わることをコトラ―を示唆しています。

ポーターの競争戦略の3つの基本戦略と重なる部分もありますが、異なる戦略です。

相違点と共通点のそれぞれを混同しないように抑えましょう。

試験対策の観点では、最低でも「リーダー」の特徴と戦略定石を確実に理解したいです。

記事をご覧いただき、ありがとうございました。
  

この記事を書いた人
木下洋平

経営コンサルタント・研修講師
「ヒトが育つチームづくり」をはじめとした、人材育成と組織開発を得意としています
(保有資格)中小企業診断士・キャリアコンサルタント

投稿日 2021年3月10日

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