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【診断士試験対策】ドメイン(企業ドメイン、事業ドメイン)の解説

中小企業診断士試験において頻出のドメイン(企業ドメイン・事業ドメイン)について解説します。

ドメインの問題は試験でも頻出です。しかも、過去問では第1問目や第2問目に出題されています。

試験の冒頭で出題されることを考えると、危なげなく正答したいものです。問われるところも毎回、似通っているので、確実に対策したいテーマです。

この記事では、ドメインについてポイントを解説します。

  戦う場所

ドメインとは、何か

ドメインとは、その企業が事業を展開する領域のことです。

自社の強みを活かしてどの土俵で戦うかを、自社で決めたその場所のことです。

自社の活動領域という風にも表現されます。

ドメインには、2種類あります。企業ドメインと事業ドメインです。

その企業が一つの事業しか行っていない場合は、企業ドメイン=事業ドメインです。

事業を複数営んでいる企業は、それぞれの事業ごとに事業ドメインと、会社の企業ドメインがあります。

診断士試験においては、ドメインの問題では、設問の内容が企業ドメインを説明しているのか、事業ドメインについて説明しているのかを判断する問題が最も多く過去問で出ています。

企業ドメインと事業ドメインの違いを最優先に抑えましょう。

企業全体の話なら、それは企業ドメインです。

企業理念や企業の方向性、企業全体の事業のバランスなどの企業全体についてのことが書かれていれば、それは企業ドメインです。

一方で、特定の事業のことであったり、多くの事業のうちの一つの事業について書かれていれば、それは事業ドメインです。

事業ドメインは、その事業内での活動に直接関連してきますが、企業ドメインは日常の業務活動に直接関連することは少ないでしょう。(事業ドメインの方が、日常の業務に近い)

また、ここでややこしいのが、事業ポートフォリオです。

事業ポートフォリオとは、企業が展開する事業の組み合わせです。

この事業ポートフォリオを決めるのは企業ドメインです。

企業ドメインで、どの活動領域でどういった事業を行うかを決定するので、複数の事業の組み合わせ(事業ポートフォリオ)は企業ドメインで決めます。

企業ドメインの方が、事業ドメインより、一つ上の(抽象的な)概念だと認識しておいてください。

2つを比較すると、企業ドメインは、企業のアイデンティティを示す大きな概念で、事業ドメインは、事業の範囲を決める小さい概念です。

事業の範囲を決めるとは、どのような顧客に、どのような商品・サービスを売るかを決めるということです。

この事業ドメインを考えるツールとして有用なのが、エーベルの3次元枠組です。

「顧客」と、「機能」と、「技術」の3つの側面で事業ドメインを考えるというものですが、これは、だれに(顧客)、何を(機能)、どうやって(技術)、と考えれば、当たり前なので理解しやすいですね。


ドメインの広さについて。広く設定するか狭く設定するか、それぞれのデメリット

事業ドメインをどのように設定するかで、時に企業の命運をおおきく左右します。

有名なのが、アメリカのかつての鉄道会社です。

彼らは自分たちのドメインを鉄道事業と設定していたため、鉄道以外の事業について検討するということができませんでした。

それにより、アメリカで自動車や飛行機が旅客の手段として台頭したときに(5フォース分析でいうところの代替品の登場)、対応することができずに、衰退してしまうことになりました。

このとき、彼らのドメインが鉄道事業ではなく、旅客事業だったら、自動車や飛行機での旅客事業に参入して、生き残ることができたかもしれません。

一方日本の私鉄各社は、鉄道に限らず、タクシー事業、百貨店事業、ホテル事業、不動産事業、など、様々な事業を展開している企業が多いです。

「沿線地域のまちづくり」といったドメインといえるでしょう。

このように広くドメインを設定している企業もあります。

つまり、ドメインを設定する時は、どこまでの範囲まで自社の活動領域とするかというのが大きなテーマとなります。

事業ドメインを小さく設定することは、様々なデメリットがあります。

先述したアメリカの鉄道会社のように、環境変化に対応できず代替品の登場により、一気に衰退することもあります。

また、次のデメリットとして、「成長の限界」が挙げられます。

小さい土俵の中で戦っていれば、その土俵が頭打ちになってしまったときに、そこで企業の成長が止まってしまいます。

また、小さすぎるドメインだと、人材の確保や資金調達など、経営資源の獲得がしづらくなるデメリットもあります。

しかし、ドメインを大きくする設定することにもデメリットがあります。

まず、ドメインを広くすると経営資源が分散してしまいます。

それぞれの事業を行う市場において十分な経営資源を投下できず、競争優位を獲得できません。

従業員にとっても自社がなんの会社か分かりづらくなり、自社の事業に対しての忠誠心が持ちづらくなり、凝集した力が発揮されづらくなります。

また市場が異なれば、適切な組織のあり方も変わります。

同一企業体の中で異なる組織文化が形成されれば、グループ全体を通してのマネジメントが難しくなります。

経営資源が分散してしまうのが、わかりやすいデメリットですが、その他にも様々なデメリットがあります。

つまり、ドメインを設定する時には、このどの広さでドメインを設定するかは大きなテーマになるのです。

ちなみに、一度設定したドメインを修正・変更することは可能です。

もちろん、頻繁に変えることは内外に混乱をもたらすので避けなければなりませんが、環境変化に応じて、ドメインの設定を修正することは可能です。


ドメインの設定方法。物理的か機能的か、それぞれのデメリット

ドメインの設定時に留意することとして、ドメインの広さ以外に、ドメインを物理的に決めるか、機能的に決めるかというポイントもあります。

ドメインを物理的に決めるとは、「モノ」に着目してドメインを設定することです。

ドメインを機能的に決めるとは、「コト」に着目してドメインを設定することです。

「モノ」に着目してドメインを決めるとは、どういう商品や製品を扱うかなどによってドメインを決めるのです。

ドメインを物理的に、つまり「モノ」に着目して決定する際のデメリットとしては、「モノ」という明らかなものに縛られてしまい、発想が硬直化してしまうことです。

既存の事業領域を超える発想が生まれづらく、新しい新事業を打ち出していくなどが起こりづらいという特徴があります。

「コト」に着目してドメインを決めるとは、顧客への提供価値によってドメインを決めるのです。

ドメインを物理的に、「コト」に着目して決定する際のデメリットとしては、事業内容が抽象的になるため、具体的に何を行う企業なのかが良く分からなくなるという特徴があります。

例えば、「パンを製造・販売する事業」と物理的に設定すると、わかりやすいですが、限定的になります。

「食卓に笑顔を増やす事業」と機能的に設定すると、パン以外の可能性も感じますが、抽象的で、事業領域がよくわからなくなります。

このように、ドメインを設定する時には、物理的に設定するか、機能的に設定するか、という設定のしかたが2種類あることも抑えておきましょう。


ブログのまとめ

まとめ:ドメイン(企業ドメイン、事業ドメイン)の解説

中小企業診断士の試験対策として、ドメインの解説をしました。

この記事の内容をまとめると下記です。
・ドメインには、企業全体についてのドメインである企業ドメインと、特定の事業についての事業ドメインの2種類があり、特徴を理解し判別できるようになるのが試験対策上は非常に大切

・ドメインはどの範囲で設定するかという広さが大切で、ドメインを広く設定するか、狭く設定するかのそれぞれにデメリットがある

・ドメインの設定の仕方として、「モノ」に着目して物理的に設定する方法と、「コト」に着目して帰納的に設定する方法がある

今回は、ドメインについて解説しました。

中小企業診断士の試験では、頻出の論点です。

確実に得点できるように、準備しておきましょう。

記事をご覧いただき、ありがとうございました。
  

この記事を書いた人
木下洋平

経営コンサルタント・研修講師
「ヒトが育つチームづくり」をはじめとした、人材育成と組織開発を得意としています
(保有資格)中小企業診断士・キャリアコンサルタント

投稿日 2021年3月14日

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