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【診断士】外部組織との連携(垂直統合と水平統合・戦略的提携・アウトソーシング)の解説

外部組織との連携(垂直統合と水平統合・戦略的提携・アウトソーシング)について解説します。

企業が成長していく上で、他の組織との連携は欠かせないものです。

自社の弱みを補完したり、自社のコアコンピタンスに集中するために、うまく提携を使うことで、様々な可能性が生まれます。

この記事を読み終えると、外部組織との連携について理解が深まります。

  企業間の連携

垂直的統合と水平的統合とは

垂直的統合か水平統合という言葉をみれば、業界のバリューチェーンを思い浮かべるとわかりやすいです。

業界のバリューチェーンといえば、例えば、【製造業】サプライヤー ⇒ メーカー ⇒ 物流業者 ⇒ 小売業者 ⇒エンドユーザー、といった流れです。

垂直統合とは、この業界のバリューチェーンのなかで、小売業者が物流業者を統合したり、メーカーが物流業者を統合したりする統合のことです。

ここで、サプライヤー側を上流、エンドユーザー側を下流とし、メーカーが物流業者を統合するような上流から下流への統合を前方統合(流れに従って前方に統合)、小売業者が物流業者を統合するような下流から上流への統合を後方統合(流れに逆らって後方に統合)といいます。

垂直的統合に関する問題では、どんな時に垂直統合したくなるかを問う問題が出題されています。

どんな時に垂直統合したくなるかを考える際には、5フォース分析を考えるとわかりやすいでしょう。

5フォース分析の横軸は、利害関係者との力関係でした。利害関係者との交渉において、当該事業者の交渉力が弱い時に統合したくなるのです。

利害関係者に対する交渉力が強い場合は、自社に都合の良い条件で契約ができます。

そのような環境ではわざわざ統合しようとは思わないでしょう。

しかし、相手の交渉力が強い場合、つまり仕入れ値が高い時や、納期が思い通りにならない、仕入れるたびに交渉が必要になるなどの場合、それらのコストが統合するとかからなくなります。

それが、統合に対する動機として働くのです。

つまり、垂直統合したくなるかどうかは、交渉によるコストがどれくらいかかるかによるのです。

ちなみに、コンビニのプライベートブランドは、小売業者による後方統合の事例です。

フランチャイズの規模の経済性も活かしながら、統合することによりコストを削減することで、プライベートブランドの利益率は、他の一般商品より高い利益率を実現しています。

垂直統合は、バリューチェーンの川上、川下への統合でした。

水平統合は、メーカーならメーカーと、小売業者なら小売業者との統合のことです。

つまり、ライバルとの統合です。

コンビニだとサークルkとサンクスが統合し、サークルkサンクスになり、サークルkサンクスとファミリーマートが統合し、ファミリーマートになったのは、水平統合です。

コンビニにおける水平統合の動機は、規模の経済性や密度の経済性を働かせ、コストを削減するなど、市場における競争力とシェアを獲得することです。

垂直的統合や水平的統合の統合の論点では、統合に関する言葉の意味だけでなく、どういった時に統合したくなるかを抑えておきましょう。


戦略的提携とは

戦略的提携とは、異なる企業間で互いに協力する契約を結ぶことです。

基本的には、対応の立場で共同のプロジェクトを推進することで、民間企業同士だけではなく、大学や政府機関と提携することもあります。

同一の業種間で協力することもあれば、異業種間で協力することもあります。

あくまでもプロジェクト単位での契約で、緩やかな結びつきです。

診断士試験において、さも組織間の統合のように記述があれば、それは戦略的提携ではありません。

提携の目的は、お互いに自社の弱いところを補い合うことです。

例えば、不動産の開発を考えましょう。ある事業者は不動産の用地仕入れや設計・企画に強みがあるとします。

ある事業者は、販売に強みがあるとします。

これらの事業者が手を組むことで、お互いの弱いところを補完しながら事業を成功に近づけることができるのです。

これを経営資源の補完といったりします。

このように互いにメリットがあれば、戦略的提携は継続されます。

一つのプロジェクトが終了しても、また異なるプロジェクトで、タッグを組んで提携して推進するといったこともよく見られます。

しかし、互いにとってのメリットが少なかったり、プロジェクトがうまく進まなかったりすると、途中で契約を破棄するなどの提携が終了するケースもあります。

契約ベースでの緩やかな結びつきなので、関係性を打ち切ることも比較的簡単にできてしまいます。

ですので、途中解約のペナルティなどを契約の中に盛り込むこともあります。

アウトソーシングとは

アウトソーシングとは、自社のバリューチェーンのなかで、一部の機能を外部事業者に委託することです。

例えば、広告活動を広告代理店に委任するのも、輸送を物流業者に委託するのも、販売を販売代理店に委託するのも、すべてアウトソーシングです。

アウトソーシングを行う主要な目的は、自社にとって競争優位の獲得における優先順位の低い機能を外に出すことで、本当に注力すべき強みの源泉(コアコンピタンス)に注力できるようにすることです。

例えば、製造メーカーの事例で考えます。

そのメーカーの強みは製造自体にあるとしましょう。

製造能力が強みなので、そこを磨いて競争優位を継続したいと考えます。

その場合、製造の前工程の設計だったり、製造の後工程の輸送などは、外部事業者に委託して、自社の経営資源を製造に集中できるようにするのです。

経営資源は限られています。経営資源の配分はメリハリをつけて行う必要があります。そのために、アウトソーシングは有力な選択肢だといえるでしょう。


ブログのまとめ

まとめ:外部組織との連携

中小企業診断士の試験対策として、の解説をしました。

この記事の内容をまとめると下記です。
・垂直的統合とは、業界のバリューチェーンの川上、川下への統合で、交渉が不利なときに統合したくなる。水平的統合とは、業界のバリューチェーンの同じカテゴリー間(ライバル)との統合

・戦略的提携とは、異なる企業間(大学や政府機関も含む)で互いに協力する契約を結ぶこと。プロジェクト単位での契約で、緩やかな結びつき。提携の目的は、お互いに自社の弱いところを補い合うこと

・アウトソーシングとは、自社のバリューチェーンのなかで、一部の機能を外部事業者に委託すること。自社にとって重要でないものを委託し、本当に大切なものに集中するために行う

今回は、製品=市場マトリクス(アンゾフの成長ベクトル)と多角化戦略について解説しました。

中小企業診断士の試験では、ほぼ毎年外部組織との連携に関する問題が出題されています。

バリューチェーンや5フォース分析など、他の論点とも関係があり、問題を作成しやすいこともあると思います。

  バリューチェーンや5フォース分析の復習とともに、どういったときに提携をしたくなるかという点をしっかり理解しておきましょう。

記事をご覧いただき、ありがとうございました。
  

この記事を書いた人
木下洋平

経営コンサルタント・研修講師
「ヒトが育つチームづくり」をはじめとした、人材育成と組織開発を得意としています
(保有資格)中小企業診断士・キャリアコンサルタント

投稿日 2021年3月20日

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